第193号 「つまり、自由」

 あけましておめでとうございます。
昨年も様々な出来事がありましたね。

 自分自身では、振り返ってみると、
剣道でも、色々と人様のご評価を
頂いたことが印象的でしたが
武道以外の他の分野でも色々と刺激を受け
それが今度は剣道に反映される事も
多々あった様に思います。

 例えば、私は昨年から始まった
パースの着物が好きな人達の
集まりに参加させて頂いてますが、
本当に色々な方がいらしゃいます。

 着物の着付けを教えていらっしゃる方
着物が好きだけど、一人では着られない方。
昔から着ていらっしゃる方
ほとんど着たことが無い方。。。

 なぜ着物が好きなのか、と聞かれれば
それぞれが、全員違う理由があるはずです。
それでも
「着物が好き」
「着物は素晴らしい」
という大きな共通項で繋がっているのです。

 さて、着物にはルールというか
慣例のようなものがあります。
しかし、もし誰かが
着物はこうあるべきで、
だから、これ以外は着物の着こなし
としては認めません。
というところばかりに
こだわっていたらどうでしょう。

さて、剣道の話です。
私の周りにも色々な剣道の仲間がいます。
ものすごく剣道が上手な人、
強くなくても、一生懸命に努力している人、
子供の頃から続けて来た人、
大人になってから始めた人…

 それでも、竹刀をとって
鎬を削る様に懸命に稽古をしているのは
皆、只々剣道が好きだからです。

 剣道には、試合のルール以外にも
守られなけばならない事があります。
剣道は日本刀の刀法であるという事。
文化的に継承していかなければならない、
哲学に則した決まりがある事。

 ただ、こればかりにこだわっていたら
剣道は決して楽しくはありません。

 好き勝手にやるのが剣道の
楽しい事ではありません。
相手にただ打ち勝つことが
楽しい事ではありません。

 本当の剣道の楽しみとは、
それは、心と心が通じる事。
即ち、人と人との繋がりです。
また、それは、剣の修行の中に
文化的な価値を見いだす事。
即ち、自分の生活を見つめる事。

 私は両方の祖父や親の着物姿を
見る機会が多かった事で
子供の頃から、着物を着ることに
憧れがあったと思います。

 実際に高校生になると、祖母が
自分の着物を仕立てくれました。
亡くなった祖父の着物も
仕立て直してくれました。

 しかし、今でも着物が好きなのは
そこに、まだ生きている文化があるからです。
残してゆくべき文化というのは
詰まるところ、私達の生活の中でこそ
生かされて行くものであると思います。

 まさしく、文化とは人と人との
繋がりそのものではないでしょうか。

 立派な着物を着ても、
無敵の技を身につけても、
行き着く先が孤独では、
余りにも寂しいであはりませんか。

 剣道も着物も、他の武道や芸術芸能も
ただ権威的な形骸化した作法や考え方に
とらわれることなく、まず肩の力を抜いて
着物も着ない、刀も要らない世の中で
時代が変わっても、変わることのない
人の繋がりの本質を見つめて
いきたいと思います。

 ま、総括すれば
もっと自由にやろうよって
ことなんですけどね。(笑)
今年も宜しくお願いします。